ようやく聞けた、せみの鳴き声

連日、うだるような暑さが続いている。
外に一歩出ると、肌を刺すような日差しと、むわっとまとわりつく湿気に、思わずため息がこぼれる。「息をしているだけで精一杯」と言いたくなるほどだ。
そんな中、ふと気づいたことがあった。
例年なら、この時期は朝からせみの大合唱が聞こえてくるはずなのに、今年は、ずっとその声がなかった。静かすぎる夏。
それがどこか、心細くもあり、物足りなくもあった。
昨日の夕方、家の近くの公園を歩いていたときのこと。
ふいに、木の上から「ミーンミーン‥‥」と、懐かしいせみの鳴き声が一声。
たった一匹の鳴き声だったけれど、それが妙に胸に響いた。
「ああ、やっと来たんだな」
まるで季節が、ようやく自分のペースを取り戻したかのようで、どこか安心した。
せみの鳴き声は、うるさくて暑苦しいものの象徴のようでもあるけれど、同時に『ちゃんと夏が来た』という合図でもある。
季節の音を、耳で確かめる。そんな小さな瞬間が、ふと心を落ち着かせてくれるのかもしれない。
きっと、これからは日に日にその声も増えていくのだろう⁈
この夏も、あとどれだけせみたちの声を聞けるのかな〜。

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